「ごめんなさい。」
それしか言えなかった。
目はまだボヤボヤしてよく見えなかったけど…
陽暮くんが微笑んでいた事はわかった。
「よし！これで大丈夫っすね！」
私はポカーンとする。
「これで俺も聖みたいに前に進めます。」
陽暮くんは笑っていた。
今までにないくらい最高な笑顔でーーー…
「で…どうするっすかですよね…」
「…。」
私はさっきの事を思い出すと…
また涙がでそうになる。
「泣かないでください…」
苦笑いの陽暮くん。
「あー…じゃ、嫌な男のキスを忘れる方法教えましょうか？」
「ぇ…」
陽暮くんの突然の案に私はとまどってしまう。
だってそんな…簡単に忘れる方法なんてないよ？
陽暮くんの顔はなぜか私に近づく。
……
陽暮くんの息が私の首元にかかる。
陽暮くん…
あなたは今、何をしようとしているの…？
