極上-甘すぎ彼 Ⅱ





「ぐすっ……」





私はさっきから陽暮くんの腕の中にいた。












陽暮くんは私に声をかけることなく

ずっと私の頭をなでたり背中をさすってくれていた。













「…。」










私は少しずつ落ち着きを取り戻していた。














しばらく時間だけが流れる。














「落ち着きましたか…?」




私の横からそう聞こえた。















私はコクリ…。と頷く。









「…何かあったん…すよね?」








私は黙ってしまう。








陽暮くんは私から離れて

私の目を真っ直ぐ見つめる。













「、…ス…さ、っ た、、の…」





私の声はまったく出ていなかった。













だけど陽暮くんは

私の唇を端から端までなぞった。











「…キス…ですか?」





どうやら聞こえてたみたい…。











「冬真…先輩じゃないんすか…?」






私は下を俯く。







冬真くんのキスを私が拒むわけない…。
















「他の人……。」



私はやっとの事、声が出た。











陽暮くんは目を見開く。




「はぇ…?ほ、他の人…?」




声、裏返ってるし。











私はコクコク、頷く。











陽暮くんはしばらく黙る。





私は下を俯いていた。














「先輩。」



凛とした声が保健室に響く。














私は顔をゆっくりあげる。








陽暮くんは再び私の唇をなぞっていく。





くすぐったい…。











そんな事を考えていたらーーーー…