「私…信じてたから…。」
胸を抑えながら私は静かにそう呟いた。
「え……」
キョトンとしている冬真。
「風くんを選んだのは冬真に不満がある事はわかってる。
でも風くんに何されようが誰であれ…」
風が吹く。
「きっと冬真が私を助けてくれると思ってた…信じてたから…
だから風くんを選んだの…」
何か私から心に引っかかっていたものがスー…と消えていった気がする。
冬真の表情からは何を考えているのかわからなかった。
でも…私は見てしまった。
冬真の目から一筋の涙が零れ落ちるところを。
「み、みんなっ…」
恥ずかしいのか…後ろを向く冬真。
「ダセーだろが…勝手に一人で勘違いして…
舞をたくさん不安にさせて…」
私はダサいなんて思ってない…
初めて男の人の涙目を見たけど…
それは綺麗だった。
しかも…冬真は優しい。
つくづく自分の彼氏に嫉妬をしてしまう。
「じゃ…今まで通りに…戻れる?」
私はそれを期待して言ってみる。
…だけど……。
「いや…ごめん…できないかもしれない…」
私はその言葉が出るとは思わなくて
え…と声を漏らす。
なんで…。やっぱり私の事嫌いになっちゃったの……?
冬真は髪をボサボサとかく。
「でもそれは修学旅行までで…ただ帰りだけ一緒にいられないってこと…」
修学旅行まで……?
「な、なんで?」
「今は言えない。でも、いずれかは分かると思う。」
私はションボリする…。
「それまで、な?」
私はその言葉を信じていいんだよね?
私はゆっくりと頷いた。


