ーーギギィ…
涼やかな風が私の髪をなびかせた。
髪を耳にかけ、冬真の姿を探す。
そこには、黒髪を風で揺らし
遠くを見つめて悲しそうにしている冬真がいた。
私は、あんな悲しそうな顔は初めて見た…
今までは無表情でたまに困った顔にそれに…少し笑うくらいだったから…。
なんだろ…
すごく胸が痛い。苦しい。
私も悲しくなる…
私のせいなのかな…
それを確認するため、やっと屋上に足を踏み入れた。
冬真は、ドアの閉まる音で私に気づいた。
でも、もうあんな顔はしていなかった。
いつもの無表情に変わる。
「あ、あの…」
私が言いかける…。
冬真は静かに私の言っていることを聞いてくれた。
「あのね…まず言いたかったことは…
冬真は邪魔なんかじゃないっ。」
私はカバンをドアの方に置き
また冬真の方に向くとそう言った。
冬真は静かに聞いてくれた。
それから私がそれだけ言うと
冬真は目を伏せた。
「そうか…。なら…なんで風を呼んだんだ?」
私の心臓はトクン…と鳴る。
私は顔が真っ赤になる。
い、言ってもいいのかな…改めて思うと結構恥ずかしい気がする…。
「何恥ずかしがってんだよ…」
私は急かされるのが嫌だので
本当の事を打ち明ける事にした。
「私が…冬真を呼んだのは……」


