「まぁ、今日はしょうがないから俺が舞を家の前まで送るよ。」
人差し指をはずし、カバンをとりながら私に言った。
「でも…風くんの家…遠くなっちゃうんじゃ…?」
「え?あー、大丈夫だろ。黙って女は男の言う事だけ聞いてりゃいーのっ」
そう言って私のカバンまで持つ風くん。
「私、カバンくらい持てるよ。」
私が風くんの手からカバンを取ろうとしたら、
カバンがひょい。と反対の手に…。
「いーからいーから。ほら、早く帰るぞーっ」
そうしたら、風くんは教室を出た。
私はしょうがなく、後をついていく。
いつもと変わらない空。
それに、道も変わらない。
ただ、変わっているのは隣にいつもいるはずの冬真だった。
今は…
「確かあっちだよな。」
隣にいるのが風くんだって事。
「うん…。」
冬真くんといつ仲直りできるのかな…
結局は、私のとこに戻ってきてくれなかったな…。
私は自分の足を見ながら歩いていた。
「今はきっと、あいつには敵わないか…」
突然にそう呟く風くん。
私はびっくりして、風くんを見る。
風くんは立ち止まって…。
「多分お前は、ずっと、とうとうの事…いや、冬真の事しか見ないよな…」
さっきからなんの事を話しているのだろうか…。
私にはさっぱり、わからなかった。
「でもいつか叶うなら…俺がお前の彼氏がいいな…」
私は風くんに見つめられる。
「今は手がだせないんだ…冬真と喧嘩してること利用して、自分だけずるい事はしたくない…。」
私は、ただただ風くんの話を聞いている事だけしかできなかった。
「ふ、う…くん?」
私が呼べば、風くんは私から視線をそらす。
「修学旅行…でさ、二人きりになれる時ってあるかな…?いい?」
私を見ないで、どこかをボーッと見ながら聞いてきた。
私は返事をしていいのか、わからなかった。


