舞 side
「「さよーならぁーっ」」
生徒たちが帰っていく中…
私は席を立った冬真に話しかけた。
「…っ、とうまっ」
冬真はゆっくりと、こちらを向く。
「なに?」
冷たい声で返事をされた。
「…あの…」
私はどう続けていいか分からず
口を閉じてしまった。
冬真は、髪をくしゃくしゃとしていた。
「早く言ってくんない?」
急かすように冬真は言った。
どうしよ…。
私が困っていると…
「お前さ。そういうのないんじゃない?」
急に私の後ろから声がした。
それは、風くんだった。
……。
「彼氏ならさ、彼女の話、急かさないで最後まで聞くべきじゃない?」
私のきいた事のない風くんの低い声が教室に響く。
すごく、二人はピリピリしている感じ…
「お前に関係ないじゃん。」
「ありありだから。同じ六班だしな。」
冬真の眉はピクッと動く。
やっぱ、私のせいだ…。
と、思った。