「……っうぅ…っ………」



指で何度も涙を拭うが、それは次から次へと溢れて止まることを知らないらしい。


ボロボロ ボロボロ




「……ううっ…ひっく…」


左手で口を覆っても嗚咽はなかなかおさまらない。









…いつの間に、あたしの気持ちはこんなに大きくなったんだろう。


本当自分でもびっくりする。





『初恋は実らない』

どこかで聞いたそんな言葉。



…あたしは、そんなはずじゃなかった。


描いていたのは告白して、両思いで、付き合って…という幸せな恋路。




知らない内に加速したこの想いを伝えることさえできなくて。


二人を前にあっさり身を引くことしかできなくて。






あたしの初恋は、


臆病で頼りない

でも甘くほろ苦い


そんな恋だった。