靴箱の前で待ち伏せすることにしたあたし。 いかにも誰かを待ってる風を装うつもりだったが、 「あ、カバン教室に忘れた」 緊張のあまりポカをやらかしてしまい、部活生が投げかけてくる痛い視線に頑張って耐えるしかなかった。 そのうち人通りもなくなり、橙の光がよりいっそう校舎内を照らす。 一直線に続く廊下を覗くとその光で辺り一面輝いており、なぜか胸がキュンと鳴った。 それは片倉くんを想うときとひどく似ていて。 この後のことをいろいろと想像するのだけれど、今はただただ甘酸っぱい。