私は、風間涼介に言われたとおり屋上にやってきた。
屋上の入口のドアを開けても早川悠人の姿はない。
あれっ?いないのかなぁ?
キョロキョロと辺りを見てみると、早川悠人らしき人物が寝そべっていた。
よしっ!声かけてみよう!
「あのぉ~すみません。風間悠人さんですかっ?」
話しかけたと同時に目が見開いた。
「あー。そうだけど?何?」
「お昼寝中にすみませんっ!朝のお礼と思って・・・」
私は購買で買ったコーラとツナおにぎりを無愛想な風間悠人さんに渡した。
「んっ?朝のお礼・・・?もしかして朝ハンカチ落とした女か?」
って・・・今思い出したんかいっ!
気づくの遅すぎっ!!
「はい!あの時は本当にありがとうございましたっ!」
「あーいえいえ・・・。あのさ昼寝したいからもういい?あとコーラとか返すわ・・・」
えっ?!なんでっ?!
私がテンパっていると・・・
スースーと風間悠人の方から寝息が聞こえてきた。
えー?!もう寝たのっ?!はやっ!
ハァ・・・。もう無理そうだな。今日は仕方ないから諦めるかっ!
私はため息をつきながらトボトボと2年教室へと歩いて行った。