…なんでコイツがいるんだよ!!



〜執事 side〜


シュンとした朔月から凛とした朔月に戻って

呼びに来た理由を聞いて


色々とまぁ、大変なこって




しかしなぁ

そもそも族とかんなもんやってる奴等はそれなりに覚悟しなきゃいけねぇもんだし

自分の身を守れない奴だからつるむんだろうけど、それならそれを助けるのはつるむ奴の仕事だし


朔月がそれほど気を病む必要はないのだけど



だけど、朔月は優しく強いから

なんでも引き受けるのだろう


…ま、要求が朔月なら俺は黙ってないのだけど



『…そこ、右』


俺の愛車の助手席から声をかける朔月を横目にまたため息


こんな事で乗せるとはなぁ…



『…何しかめっ面してんだろ。良いだろ、ちょっと乗るくらい』

「そのことじゃねーよ」


愛車にはどうぞ、乗って下さいだけどな!

けど、それはプライベートで実現させたかったの!!


決してむさ苦しい野蛮な所へ連れて行きたくなかったわ!!


『…でも意外だな。執事、案外余裕そう』


んー、まぁ


なんだかんだで誘拐やらリンチやらは慣れている身なんで


それこそションベン臭いガキ共のそれとは訳が違う


…それにさ


「朔月がせっかく元気になったのに俺がシリアスにしてどうすんだよ」

どんな心境だろうと、やれることは限られてるだろ


そう続ければ、全くだな笑われた


『オレ、はじめてお前が執事で良かったと思う』

「おまっ!それ嬉しくないぞ!?ショックだぞ!?」



バッと朔月の方をみれば前をむけと頭を叩かれ笑われる始末


全く酷い扱いだ