随分しぶとくフラフラと立ち上がる緑頭

それを容赦なく殴る水野




場所を路地裏に移動して正解だった

こんなにしぶとくやってらあ、通報されかねねぇからな



酷く冷酷な能天気男は俺がミシミシと骨に響くほど強くつかんでいても弱音一つ吐かねえ

…コイツ、本当に弱いのか?




「クッ………」

「ハハハハハハハ!そろそろ限界やろぉ!?」



倒れた緑頭は腕をついて立ち上がろうとするが既にボロボロ


……もう、終わるか


そう思った時




「……わあ!?何すんだよ!離せっ!」



騒がしい方に目を向ければ緑頭と一緒にいた手下が黒頭を羽交い締めにしていた



『―…イヤホン君っ!?』


五月蝿い、そう文句をつけるため口を開くが

…先に声を発したのは能天気男だった



「くっ、黒崎!」

『な、なんでここに?!』


やっと能天気男の感情を感じ取れた俺は明らかにコイツの仲間であることを把握する

しかし何やってんだ?


緑頭の手下が消えた事は知っていてほっといた

それが何をしてんだよ



「聞け!彗星総長!!」

「…あ?」


俺が低い声で返すとビクリと肩を揺らしながら言葉を繋いだ



「こ、コイツが殺られたくなきゃ、お、大人しく右京さんを解放しやがれっ」


ズイッと見せられた黒頭


前髪で顔がよく見えねえ

が、



「誰や、ソレ。舐めとんのかぁ?」