「でもね、歌唄ちゃん」

突然の真剣な声に私は一瞬ビクッとした。


「俺はね、歌唄ちゃんの事諦めるつもりはないよ。フラれるって分かって告白したし。それに、好きじゃないなら、俺の事を好きにさせればいい」



「…………」


なっなんですか、この俺様発言は。
いきなり、口調変わったからびっくりした。



「じゃあ、俺用事あるから、行くね」



「あっ…はい、さよ…う…」



先輩にさようならと言おうとした。

でも、言えなかった。




私とすれ違った時、耳許で


「覚悟してね♪う た う ちゃん♪」





甘い声で囁かれ何も言えなかった。



それから、10分間動けなかった事は誰も知らないだろう。