その時、あたしのカバンに入っていたテニスボールが、地面に落ちる音がした。 だけど、なぜだかあたしは、そのボールを拾おうとは思わなかった。 あたしは落ちたボールに目もくれず、ただひたすら夕日を眺めていた。