先輩と私と。

気まずいながらに、一緒に並ぶ。





でもさっきみたいに会話はない。





私はバッグに入っているものを握った。




ギュウウと握り締めて




ちょっと寂しい気持ちを紛らわせた。






「あ!!!!莉生先輩!!!!」





「え.....?」






声のするほうを見ると、





由梨華ちゃんがニコニコしながら走ってくる。






「由梨華ちゃん!!!ここ来てたんだぁ」





「あ、実は....」




少しためらう顔を見せると、





「なんか、ヤマキ先輩に呼ばれて、つれてこられて....」





「はぁ!!!?何してんの!!!?」






「よう、石上」





「ようじゃないわ!!!何ナンパしてんの!!!?」





「え、これナンパなの??ごめんね」





反省などしてなさそうな顔で手を合わせるヤマキ。






「いえいえ」と顔の前で手を振る由梨華ちゃんの顔は、




まんざらでもなさそう。





「一緒に、回るか??そっちが良かったら」





零が横からそういう。





零の顔を見ると、こちらを見て笑ってくれる。





「いいんスか?いいよね?」




「あ、はい」





振り回されっぱなしの由梨華ちゃん。





少し可哀想。




「じゃ、一旦抜けるか」





そう私に言ってくれた零に、




「うんっ、そうだね」





と笑った。






前にヤマキと由梨華ちゃん、




後ろに私たちで歩く。





零に聞かれた。




「あの2人、何なの??」





「さぁ....。多分両思いだけど.....気づいてない、的な?」





「おぉー。かっこいいじゃん」




笑った零の顔のが、やっぱり、いい。