「さっき、ビミョーに泣いてなかった?」




「え、あはは~...」




「誤魔化さないの」




「.....だってぇ、何かモヤモヤするんだもん」




零は喉でククッと笑った。




「嬉しいなぁ」




と空を見上げて言う。



「何で?」





繋いでいた手を、零のズボンのポケットにねじ込まれた。





「ちょ.....な、に...」





緊張して寒いのに暑かった。




零の肌が、直に当たっているようで、





足の動きが丸見えなんだ。






「莉生、それね」





何かを面白がるような声で言う。





「嫉妬、って言うんだよ」




「嫉妬?」




「そう、嫉妬。ぶちょーが羨ましかったの」





そういわれて、




あぁ、と納得するんだから、そうなのかもしれない。




それでとげが抜けるんだから、きっとそうなんだ。




「嫉妬.....あはは」




と笑って、手を離してカラオケに入った。