「ちょ!!かもめ!!かもめのくせに!!」





「顔、赤いです」




とクスクス笑って、外の景色を見だした。





しばらくしてかもめちゃんがぱたりと倒れた。





そんなに驚くことではない。





みんな、疲れてパタパタ倒れているから。






....といっても、寝てるだけなんだけど。







かもめちゃんの寝相はひどかった。





窓に寄りかかっていたのに、




私の肩にすごい勢いで跳んできて、




私の膝に乗った挙句に、




だらりと床に垂れ下がる。










何回も前の座席に頭を打っているのに、一向におきないかもめちゃん。





相当の石頭なのではないかと察す。






「もうすぐ到着でーす。寝ている人がいたらおこしてくださーい」





と顧問が言った。





「かもめちゃん。かもめちゃーん」





背中をポンポンと叩く。




それでもおきない。




「ちょっと!!!起きてー。朝だよー。ウソだけど」





もう少し強く背中を叩く。




一向におきない。





だから、





「起きて!!!かもめ!!!起きろー!!!家で寝ろー!!!起きろー」







と1人で恥ずかしく叫んでも、





寝返りすら打たない。





バスは停まり、




みんなが降りていく中、




私は必死にかもめちゃんのせなかを叩く。






すると、琳が来た。





「背中じゃかもめは起きないよ」



と首をちょんと掴む。




「ふわぁ。あ、おはようございます...あ、暗い」





私の努力も虚しく、すんなり起きた。