先輩と私と。

すると友達はニヤッと不吉そうな顔をして、



「俺、待ってる」




と当たり前のように言った。




「え、えぇぇぇぇ!!!いいです。いいよいいよ!!!ホント遅くなるし....まじめに遅くなるし.....すんごい遅くなっちゃうし...それに、遅くなっちゃうし」




「遅くなるしか言ってないよ」




と零は笑う。





「いや!!でも!!!ホント帰るとき....」





楽器をぶんぶん振りながら言うと、




零は私にあわせて屈んだ。




「ほら、みんな片付けちゃうよ。行ってきな」





と背中を押されて、





「う、うん...」



と渋々、みんなのところに走る。









楽器を片付けながら、私は近くにいたかもめちゃんに説教していた。




「もう!!ホント恥ずかしかったんだからね!やめてよー...」





なんとも情けなく、まとまっていない説教だった。




かもめちゃんはちょっと調子に乗って、




「会長、待ってるか悩んでたみたいなんで、待っててくださいって言っときました」





と笑う。



「え、言っちゃったの!!!もー、かもめちゃんブラックリスト入りさせるよー」





私も笑う。





怒ったってしょうがないから。




終わったことをぐちぐち言うのは嫌いだから。