「おはよ!」





私は元気にふるまって、集合時間の30分も前に百合の家の前にいた。






「おはよ....熱、あるから」






そういって家に戻ろうとする。





私だから許されると思ってるんだ。





私だから、百合の悲しみが分かってると思ってるんだ。





「ダメだよ!!」




私はパジャマ姿の百合の腕を掴んだ。




「...何?」




「逃げてちゃダメなの!!千愛ちゃんが言ってたでしょ?夏コンは出てください、って。だからせめてそれまでは部活やらなきゃダメ!!




それに、妹ちゃん、もう立ち直ってるよ。もう乗り越えようとしてるの。




百合が逃げててどうすんの?



千愛ちゃんは今までめっちゃ我慢してたの。分かるでしょ?だから百合だってちょっとは我慢しなきゃダメだよ。妹ちゃんだって悲しいの我慢してるし、私だってホントは行きたくないよ。




だけど、行かなきゃ行けないの。でしょ?だから、行こ?」