先輩と私と。

「ねぇ、聞いて」




そういう妹ちゃん。




全部お姉ちゃんの自慢だった。





だけど、これを言う機会もほとんど無いんだろうし、




必死の寂しさかくしで悲しさかくしなんだろうから、





俺は真剣に聞いた。





いっぱいあった。





妹ちゃんの名前はお姉ちゃんがつけてくれたんだとか、





前髪の横の触角はお姉ちゃんが作ってくれたんだとか、






おねえちゃんのオムライスが大好きなんだとか、






そのレシピを貰ったからこんど作るんだとか。







必死の笑顔だった。





必死の作り笑いで、






お姉ちゃんの自慢をした。





そしてハッと気がついたようなしぐさを見せて、





「莉生ちゃんのとこ、行かなきゃ!!」





といきなり部屋を締め出された。





リビングに莉生がいないのを確認して、






莉生の家に行く。