「俺、ちょっと行って来るね」





隣にいた零はそういった。






「うん...?」





「妹ちゃん?見てくる。ちょっと、ゴメン」







そういって立ち上がって、





私の前を通っていった。





ホントは、本当は、





引き止めたかったんだ。





待って、って。





どっか行かないで、って。





だけど、





やらない。







零のおかげで、






妹ちゃんが立ち直れるなら、それでいい。





これを乗り越えてくれるなら。








私は立ち上がって、






玄関を抜けた。