「なに...」




『今から莉生の家、行っていい?』




優しい声で、




「え...」




『ちょっと気分転換しなくちゃ。ね?クヨクヨしてても前に進めないよ』




低い声で、




「うん...でも...」



『じゃあ、今から行くね』





そう、電話を切った。



私はまだジャージ姿で、



着替える気力だってなかった。




すぐにインターホンが鳴った。



私はダッシュで階段を降りて、



玄関の扉を開けた。



「莉生」



そこには、




私は知らない零が立っていた。