「...はい?」


何で私なんですか。理由は何ですか。ちゃんとあるんですよね。吹部だから、っていう理由はダメですよ。


という本心を隠して。


「そうだよー。石上やれよー。いいじゃーん」


「石上ならできるよー。多分だけど」



「莉生ちゃん!頑張って!」


みんなの心のない言葉をたくさん受ける。


そこで、


「はぁ!何で私が。自分が言われたらどう思う!?」


と言う勇気は持ち合わせていなかった。


それに「石上やれよ!!」目線がクラス全員から降りかかっている中、


「嫌です」


という勇気もなかった。


だって、「嫌です」って言ったら、


「理由はなんですか」って言われるに決まってる。


あんたこそ言ってないじゃないか。とは思うけど。


だから、


「...やるだけ、ですよ...」


と言った。