「違うわ。」

宮坂は小さな声で言った。

「え?」

利用するためじゃないのか?
俺は心の中で問いかけた。

「あなたを試したの。男なんてみんな口だけ。だから、あなたのことが信じられなかった。」

「どういうこと?」

俺は頭の中が混乱していた。

「あたしは、いろんな人に告白された。その人たちはみんなこういうの、『好きです。』って。最初はうれしかった。でも、付き合い始めて何日か経つとほかの女に気が行くようになった。あたしがいるにも関わらず、ほかの女としゃべって笑って肌を触れ合ったりアドレス交換したり…。」

俺は宮坂の話を黙って聞いていた。

「それでね、中3の時一之瀬君に告白された。」

「でも、同じ学校じゃないよな?俺とお前って。」

俺はずっと疑問に感じていたのだ。
宮坂と琉希亜はどんな関係にあるのか。
入学したばかりの時も琉希亜はこいつに興味を持っていた。