……ありえない?


いつもならさらりと流すオレが、妙にその言葉が引っかかってしまう。




ありえないって何だよ。


優斗だったらありえて、オレとだったらありえない。


そういうことかよ?


いや、多分、そういうことじゃないと思うんだけど、

そういうことにしておいてくれないとオレも納得いかない。



ムカついた。



「里美! あんま、邪魔すんなよ!」



オレは若葉の肩を抱いて教室中に聞こえるようにそう、叫んでやった。