「ウソつくんじゃねーよ!」 亜矢の声が中庭に響く。 同時に亜矢に肩を押された若葉が一歩後ろに下がる。 「亜矢!」 オレの声で亜矢も若葉も驚いた顔で振り向いた。 「何やってんだよ」 透かさずかばうように若葉の前に入ると、オレは亜矢に引っ叩かれた。 パシンと乾いた、いい音が響く。 「何すんだよ!」 顔見るなり叩く奴がどこにいるよ。 オレ、何もしてねーし。