「……何か、おかしくねー?」 「えー何が?」 部活帰り。 いつものようにオレと若葉は話しながら歩いていた。 「何って……タイムも延びねーし、暗いし……」 「暗くないよ! 何言ってんのよ!」 若葉が笑顔でオレの背中を叩く。 この笑顔はいつもと同じ笑顔。 でも、フッと見せる表情はどこか晴れない顔をしている。