人目につかない場所に連れていかれた神太は、そこでいきなり口付けられた。

京輔の考えた「空想」じゃなく、本物の口付けだ。

「ひ、ろた?」

触れるだけとも言い難い、少し荒々しい口付けが離れた時、神太は驚きをとうに通り越した顔で呼び掛ける。

すると、廣田は何かを堪えるように顔をしかめ、唸るように言った。

「小倉、お前とあいつが付き合っていようが関係ねえ。俺はお前が好きだ」

「っ……!!」

思わぬ展開に息を呑んでいると、廣田がまた顔を近づけてきて……