俺と彼と腐男子と【BL】

「おーい、しんちゃーん!」

後ろではなく、前方から自分の名前を呼ぶ声が。

途端に、放された腕。やけに熱く感じられる。

「しんちゃん、廣田、そろそろ帰る時間だってよ」

「あ。も、もうそんな時間なんだ」

「そうだよ」

京輔が神太の隣に来ると、廣田はその横をすり抜け、前の方に行ってしまった。

「あいつと何かあった?顔、赤いけど」

「べ、つに……――」

どこか上の空で返した神太の頭上で、日は暮れようとしていた。