俺と彼と腐男子と【BL】

「なんて書いてあったんだ?」

「へ?」

予想外の質問に、咄嗟に対処しきれず、神太は変な声を上げてしまう。

「あ、いや、言わなくていい」

「う、うん」

それきり、二人は黙りこくったまま、観覧車の終わりを迎えようとしていた。

「お前ら、付き合ってんのか?」
そろそろ降りなきゃいけない、と腰を上げかけた時、またも唐突な質問。

「え?」

今度はじっと睨むように見つめられて、神太は金縛りにあったように動けなくなる。

「あの、降りないんですか?」

係りの人に声をかけられて、はっと我に返る。

「あ、降ります!」

廣田は無言で神太の後に続くように降りた。

未だ、視線を背中に感じている気がするのは気のせいだろうか。

振り返る勇気もなく、そのまま歩き出そうとすると、強く腕を掴まれた。

「……廣田?」

背を向けたまま呼ぶと。