「………事情聴取、午後からですよね?? ワタシ、ちょっと用事があるんですけど」
反論を失った様子の佐伯さんが、逃げる様に松葉杖に手を伸ばした。
「お墓参りはオレが行っておいた。 お墓も掃除したし、お花もあげた。 今日、お父さんの月命日だもんね。 来週のお母さんの月命日もオレがちゃんとお参りに行くから、みなみは怪我治すのに専念して」
葉山の言葉に佐伯さんが『ピタッ』と動きを止め、葉山を見上げた。
「・・・・・やっぱり葉山さんだったんだ。 毎月お墓参りに行くと、必ず新しいお花がお供えしてあったし、お墓も綺麗に掃除してあったから。 ・・・・・何でワタシの両親のお墓参りしてるんですか??」
佐伯さんは、そんな葉山に感謝というよりはあまり関わって欲しくなさそうに少し顔を歪ませた。
「付き合ってた時もさ、本当は一緒に行きたかったけどさ、オレ、みなみが泣いて謝りながらお墓磨いてるの知ってたし。 1人で行きたいんだろ?? お墓参り」
葉山はオレより前から佐伯さんを知っていて、オレより前から佐伯さんの事が好きで、オレよりずっと佐伯さんを知っている。
なんかそれが悔しくて、腹が立って
羨ましかった。



