カノジョの死因、他殺。







佐伯さんの涙に驚いた葉山は、佐伯さんの頭を撫でると『あっち行こう』と佐伯さんの手を引くと、佐伯さんをベンチに座らせ、自分も隣に座った。






出て行くタイミングを完全に失ったオレは、またコソコソと2人に隠れて耳を傾ける。







「・・・・・・みなみ、ごめん。 みなみの携帯にかけて確認したって・・・・嘘」







葉山もまた嘘吐きだった。







「・・・・・・嘘吐き」







「みなみに言われたくない」







『フッ』佐伯さんは力なく笑って、袖で涙を拭った。






「・・・・・・言わないよ。 誰にも言わない。 でも、交換条件。 誰にも言わない代わりに、もう危ない事はしないって約束してよ。 万が一危険な目にあったら必ずオレを呼ぶって約束して」







葉山が佐伯さんの背中を擦りながら諭す。







「・・・・・・何、ソレ。 ワタシが何しようが葉山さんには関係ない」






泣いてるくせに佐伯さんは強気だ。







秘密にし続けると言った葉山の条件を飲もうとしない。








・・・・・・・いや、飲めないのカモ。








だって、佐伯さんは記憶を1つも失っていない。








好きな人に裏切られた帰り道、1人ぼっちで味わった恐怖を、恨みを、忘れる事なく全部持っていたのだから。