あー、腹減った。





そろそろ昼メシの時間だなー。





前に名波さんと行った定食屋に・・・・・行ってる場合じゃねぇな。





会社戻る前にコンビニ行くか。





会社の目の前に来ておいて、コンビニ引き返そうとした時






「・・・・・ハル」





誰かに呼ばれて振り返ると






「・・・・・亜美」





泣きそうな亜美が会社の前に立っていた。





「・・・・・そろそろお昼の時間かなと思って・・・・一緒にどうかな・・・・って思って・・・・」






亜美が強張りながらオレの方に歩みを寄せる。






「・・・・・・ゴメン、亜美。 オレ、今急ぎのシゴトがあって、ゆっくりランチしてらんないんだ」






言葉に亜美が足を止めた。






「・・・・・・そっか。 ゴメンね」






そう言ったまま去ろうとしない亜美。





そんな亜美を無視してコンビニに行って良いものか。





イヤ、良くない。





「・・・・・亜美、オレ亜美とはやり直せない」






亜美はきっと、この言葉を聞きにきたのだろう。






オレがずっと無視して伝えなかった事。






「・・・・・・許してなんか・・・・・もらえないよね」








遂に・・・・というか、やっぱり亜美は泣いてしまった。








亜美を許すとか、許せないとか







もうそんな問題ではないんだ。








さっき、生きている佐伯さんの顔を見て思ったんだ。








「・・・・・・オレ、好きな人がいる」











オレは、佐伯さんが好きだ。