女の子のアパートに着き、早速パソコンを開く。
メールBOXには
〔タカが人を殺した証拠があるの。 誰にも言わないから、ワタシの写真とデータをワタシが持っている証拠と交換したい。 明日、1限が始まる前に大学の近くの公園で待ってる〕
佐伯さんが犯人に送ったメールが残っていた。
タカ・・・・・女のコの元カレの名前か。
「大学、ドコ??」
葉山が、パソコンの画面を見ながら女のコに尋ねる。
「U大です」
「・・・・・・後は警察に任せて下さい。 佐伯さんから連絡が入ったらすぐに警察に・・・『ブーブーブー』
葉山の言葉を遮る様に鳴ったのは、オレの携帯だった。
ポケットからソレを取り出し、画面を確認する。
「----佐伯さんッッ!!」
佐伯さんからのメールだった。
メールには、本文はなく、件名と動画が添付されていた。
〔件名:コレですっぱ抜け〕と書かれたメールを開くと
女の子を装ってタカに会いに行った佐伯さんに怒鳴り声を上げる男の姿が映し出された。
佐伯さんが、その男に殺人の事実を吐かせようと、わざと罵って煽ると、男は不敵な笑いを浮かべながら殺人を認め『オマエも殺してやるよ』と佐伯さんに掴みかかっている。
その男から、女のコの写真とデータが入っているだろうUSBをデータを奪い取って、写真を破ってUSBを噴水に投げ捨てる佐伯さんの手が見えた。
おそらく携帯で撮ったであろう映像は、ブレッブレで。
それにしても・・・・・。
・・・・・・佐伯さん、逃げ足早ッッ!!
『ッッツ!!』
動画は、佐伯さんの痛がる声で終わった。



