「・・・・・ハル、他に好きな人いるだろ?? 亜美ちゃんも薄々気付いてたぞ」
・・・・・あぁ、超絶めんどくせぇ。
オレ、シゴトで疲れてんだよ。
「『淋しいし、オレに他に好きな人が出来たかもしれない。 だから浮気しました』?? それならそれでイイよ。 怒る気にもなんないから、亜美と2人で仲良くやってくんない??」
めんどくさすぎて、冷めた弁当をレンジに入れにいくのさえ億劫な気分になった。
冷めたからあげを食って後悔。
絶対温めたほうが美味い。
「別にオレ、亜美ちゃんと付き合いたいとか思ってないから」
健人が酒のつまみで買って来た、きゅうり漬物を口に入れた。
ポリポリぽりぽり。
きゅうりを噛み砕く音が、こんなに滑稽に聞こえたのは初めてだ。



