佐伯さんがオレの記事を読んでいる間、オレも佐伯さんの記事を見せてもらった。





やっぱり佐伯さんの記事は凄い。





オレの稚拙な文章とは比べものにならない。





でも





「うん。 やっぱり菊池くんの書く文章、好きだな」





佐伯さんが優しい目をしながら言った。





・・・・・・100%お世辞だろうな。






「・・・・・誰が見ても佐伯さんの文章の方が良いに決まってるじゃないッスカ」






「いいよ、心にもない事言ってくれなくて。 ワタシの文章ってさ、なんか救いがないじゃん。 読んだ後、後味が悪いってゆーか。 でも、菊池くんの文章は良いよね。 決して軽くはないのに、どこか暖かくてさ。 んー、上手く言えないなー。 ワタシには書けないんだよね。 1回真似してみたけど、無理だった」





佐伯さんがオレの真似??





イイ、イイ。 そんな事しなくて!!





でも、ちょっと嬉しい。 イヤ、結構嬉しい。





「・・・・なんか、恥ずかしいんですけど。 でも、ありがとうございます。 ・・・・・つーか、心にもなくないですよ。 オレ、まじで佐伯さんの記事、好きですよ」





オレの言葉に、佐伯さんが少し顔を赤らめて笑った。















照れ屋の佐伯さんは、こんなにも可愛く笑う。