「…………」 納得のいっていなさそうな名波さんは、それでもそれ以上は聞いてこようとしなかった。 聞いたところで、きっと佐伯さんは本当の事など言いそうにないから。 「菊池くん!! 早速、菊池くんが撮った写真、現像しよう!!」 佐伯さんは、そんな名波さんを気にも止めずに、オレを暗室に誘った。 煮え切らない表情の名波さんをこのままにしてイイものかと、名波さんに視線を送ると 名波さんが『行け』とばかりに顎を暗室の方に動かした。 ………なら、行きますけど。