「頭上げて下さい。 誰にも言いませんから。 ・・・・・おとなしく病室戻るなら」
佐伯さんの腕を持ち上げると、佐伯さんはまた小さく息を吐いた。
「菊池君まで条件付けるんだ」
佐伯さんはオレから離れて松葉杖に体重を乗せて立ち上がった。
「・・・・・・2人の条件、飲みます。 だから、絶対言わないで下さい」
少し涙を浮かべた佐伯さんは、身体の方向を変えると病室に向かって歩き出した。
「・・・・・・また、午後に伺います」
オレに言ったのか、佐伯さんに言ったのか。 葉山はそう言うと佐伯さんとは逆にエレベーターの方へ歩いて行った。
・・・・・・・オレ、どうすればいいの。
オレも帰るべき?? でも、このケーキどうするよ??
空気を読んで帰るのが正解かもしれないけど、ココで帰ったら『何しに来たんだよ??』って話だし
ケーキと雑誌だけ渡して早めに帰ろう。
うん。 そうしよう。



