「・・・・・・・・葉山さんが行ってくれたとしても、ワタシもやっぱりお墓参りは欠かせたくないんですよ。 午後の事情聴取までには戻りますから」
佐伯さんが松葉杖に体重を預けながら立ち上がった。
・・・・・無理だ。 1人でお墓までなんて行けるハズがない。
てゆーか、外出許可がまず下りない。
「わッッ」
案の定、よろける佐伯さん。
「佐伯さんッッ!!」
隠れてたくせに、うっかり飛び出してしまった。
「菊池くん!? ・・・・・いつから??」
オレに支えられながら、佐伯さんが不安そうな目をした。
『今来たばかり』と嘘を吐くべきか、正直に言うべきか・・・・・。
オレが戸惑った一瞬で、佐伯さんは気付いた様に小さな溜息を吐いた。
「・・・・・・・誰にも言わないで下さい。 お願いします」
佐伯さんがオレに頭を下げた。
佐伯さんは何も悪くない。
頭なんか、下げないで。



