「・・・・・もう付き合ってもないですし、葉山さんがワタシの両親のお墓参りする理由なんてないですよね??」
『もうやめて下さい』と言わんばかりの佐伯さん。
佐伯さんの心は、葉山から完全に離れているのだろうか。
「あるよ。 みなみを裏切った事、謝らなきゃって思った。 みなみと付き合う前、あんなに墓前で誓ったのに、あっさり裏切ったから」
「・・・・・・・何を誓ったの??」
佐伯さんが葉山の顔を覗き込んだ。
佐伯さんは、葉山が佐伯さんと付き合う前に佐伯さんの両親のお墓参りをした事を知らなかった様だ。
「みなみ、警察官と付き合うの、凄く悩んでたじゃん。 お父さんの事もあるし。 それでもオレと付き合ってくれるって言ってくれた時さ、『絶対泣かせる様な事はしません』ってみなみのお父さんとお母さんのお墓に言いに行ったんだよ。 ・・・・・なのにね。 みなみの両親にまで嘘吐いた」
葉山が溜息を吐いて項垂れた。
葉山の弱さに呆れた。
でも、葉山は悪い奴じゃないって事は分かった。
葉山は弱いけど素直だ。
素直に自分の弱さを、間違いを反省する。
でも、後悔と言うのは、先に立ってはくれないのだ。
何故人は、後悔する前に気付けないのだろう。



