青いの?青いのって……。

彼らの視線はあたしを通り越して、その後ろへ注がれていた。


あたしより裏にいるのは……トワしかいない。

青いって、もしかしてトワの髪の色や目の色言ってるの?



「コイツがいるなら俺らは来なかったのに、めちゃ不愉快」

「空気読んでお前もくんなよ」


ただならぬ雰囲気。


言われた本人は、まったくの無関心。
その表情ひとつ変えずに、窓の外に視線を投げていた。



「……無視すんなよ、なんとか言ってみろって」

「怖気づきやがて、たまには言い返してみろよ」

「……」


そこでやっと彼らを視界に捕えたトワは、微かに口元を緩めた。

全然動じないトワの態度が気に入らないのか、今にも掴みかかってきそうな気配に思わず肩にかけていた鞄の紐をキュッと握りしめる。