「んなことで何やってんだよ。つか、まだみんなあつまんねーの?ダリぃんだけどぉ」

キョトンとしてると、廉次さんがからかうように言った。

「ご機嫌ななめだね、お腹すいちゃったのかな?カナトくんは」


……カナトくん?

ふわふわの髪が、ピクリと揺れて、切れ長の瞳がグッと細めれた。


「はあ?うっせぇな、いちいちうぜぇんだよ、廉次」


こ、こわ……!
なんだろ、この威圧的なオーラは……。


廉次さんはそんなカナトくんなんかお構いなしで、楽しそうに笑う。


「カナトくん。忘れてるみたいだけど、僕は君よりお兄さんだよ?」

「はあ?だからなんだよ」

「ははは。相変わらずだねぇ」


てゆか、廉次さん、いくつなのかな。カナトくんはどう見ても年上な雰囲気だし……。
いきなり現れた口の悪い大柄の男の人にビクビクしてしまう。

茫然としていると、不意にカナトくんの視線がこちらに向いた。