そこにいたのは……。

ほんのり輝いている蒼穹。

薄暗い部屋の中、あたたかな光を宿している小さな猫。
夜空に浮かぶ、満月のようなそんな淡い光。



なんて……なんてキレイなんだろう。


目を奪われる

……うんん、心を奪われる





「……、と、トワ!どうしたの、その姿……」



リビングの入り口に、その小さな姿でちょこんと座っている。
ただじっとあたしを見つめるトワに、慌てて駆け寄った。

あたしを見上げながら、トワは「別に…」と小さく呟きながらフイッと顔を逸らした。



「ちょっと外の様子見に行ったら、濡れちゃっただけ」

「……外、行ったの?」


見に行かなくても、豪雨ってわかるのに……?


ぶっきらぼうにそう言ったトワ。
クルリと向きを変えてあたしに背を向けると、視線だけをこちらに向けた。


「こんな体になっちゃったし。俺は寝るよ?」

「……え」


トテトテと階段を上がるトワ。