ゴロゴロ
まだ雷は鳴り止みそうにない。
それどころか、さらにひどくなったようだ。
停電が続く中、充電式のオレンジのランプだけがあたしの周りをぽっかりと照らしていた。
お父さんの趣味が釣りで、夜釣りに行く時に持っていくランプが玄関に置きっぱなしになっていたんだ。
外が光るたびに、クッションを抱く腕に力がこもる。
まだ電気がついてたらよかったのに……うう。
もう寝ようかな、寝ちゃえば雷の音なんて聞こえなくなるもんね。
でも、トワは……。
「……」
チラリ。
視線を上げると、ソファに腰を落としたトワがいて。
トワはどうするのかな、寝ないのかな?
「あ、あの……トワ……」
ドーン!ゴロゴロ……
「っ!」
もぉ、やだよ~……。
泣きそうになったその時、頭上からトワの声が降ってきた。
「怖いの?」
「えっ!? こここ、怖くなんか……」
ドーーン!カラカラ
「きゃっ……」
怖いよ~~~!
両手で耳をガバリと挟んで、慌ててクッションに顔を埋めた。
と、その時。
背後で動く気配。
恐る恐る振り返ると、さっさとリビングを出ていくトワの後姿が見えた。
「……あ」
行っちゃった……。
もう部屋に戻っちゃうの?
この人でなし~!
薄情者~~!トワのバカ~!
散々文句を言っていると、出て行ったはずのトワがすぐに戻ってきた。
……え?



