その時、
――プルルルル プルルルル
リビングから電話の音が聞こえて
我に返った。
っは!
あ、あ、あたしってば何を……。
「っ、で、電話……電話電話」
バシャバシャ!
慌てて立ち上がると、そのままお風呂場を飛び出した。
バスタオルを手に取って濡れた体を拭く。服の上からギュッと巻くとリビングへ急いだ。
ドックンドックンドックン
心臓が……心臓が壊れちゃいそう……。
痛くて苦しくて、怖いくらいだ。
プルルル……カチャ!
「ももも、もしもし?」
『もしもし?真子?……どうしたの、そんなに焦って』
受話器越しに聞こえてきたのは、母の声だった。



