廉次さんがお料理を作ってくれてる間に、ちょっとだけお店の中を見せてもらった。
「へえ、ここって雑貨とかも売ってるんだね」
「そうなの。可愛いでしょ?あたしのお気に入りなんだぁ。やっと真子ちゃんと来られた」
顔を上げると、爽子が眉を下げてあたしを見つめていた。
「……爽子」
「ほんとはね?ずーっと一緒に来たかったんだ」
「ありがと」
栗色の柔らかな三つ編みが、ふわりと揺れて爽子は肩をすくめて見せた。
嬉しいな……。
あれ?
「これって……」
宝石箱のようなものの中に、いろんなチャームが並んでいた。
その中に見覚えのあるものを見つけたんだ。
「あ、そうだよー。このお店で買ったんだ。あ。でも真子ちゃんのは、特注だからね」
あたしの手にしたチャームを覗き込みながら、爽子が言った。
「え?」
「ほら、ココ見て。真子ちゃんの持ってるのと違うでしょ?」
猫の瞳、そこには小さな小さなガラス玉がはめ込まれていた。
このチャームは赤いけど……。



