「だ、だってそんな……早く決めろなんて言われても……あたし困るよ」

「何を困るの?俺の事が嫌い?」

「嫌いって言うか……そういう事じゃなくて……」


そ……そう言う聞き方、ずるい……。

キュッと唇を噛みしめて、さらにトワから顔を背けた。


だってそうしなければ、淡い空色の髪が、フワフワ揺れて、今にも触れてしまいそうだ。
でも、そんなあたしの顎を、トワの細くて長い指が掴んだ。


「じゃあどういう事? もう14日も待ってるんだけど。ね、いつまで待てばいいの?明日?明後日?」

「ちょ、ちょっと待ってよ」

「待てない」


ひゃあああ!

ジリジリとにじり寄られ、抵抗しようともがいた手は、いとも簡単に掴まった。


伏し目がちのトワは、キスをしようとそのまま顔を傾ける。



「ト、トワ……」


だからっ、これ!これなの!
最近こればっかなの!

あたしの心臓もたないってばぁぁぁあ!