――――はあ


少し長く息をすると
それはユラユラと空へとのぼっていく。

まるで、蒼穹の猫が大切な人のいる空へ駆けて行くようで、胸がキュッ軋んだ。

あの人と一緒になれたのかな……。
そうならいい。そうであってほしい。


なんて、急に切なくなった。


ジワリと視界が歪んで、あたしはスッと息を吸いこんだ。

その時、ふいに暖かなぬくもりに包まれた。




「大丈夫だよ、真子。
どんな辛いことからも、悲しいことからも、俺が守ってあげるから。

ずっと、飽きるまで傍にいて、絶対真子を離さないから」

「トワ……」


包み込むように、後ろから腕を回したトワは、そう言ってあたしの髪にキスを落とした。

トワはやっぱり、あたしの心を読めるんじゃないかな?

だって、こうしていつも欲しい言葉をくれる。



「……絶対だよ?」



嬉しくて
嬉しいのに泣けちゃいそうで

あたしは照れ隠しにはにかむ事しか出来なくて。



そんなあたしを、トワは愛おしそうに見つめ、今度は唇に触れるようなキスをくれる。





それから……。