ねずみ、牛、虎、兎、タツ、巳、馬羊、猿鳥って、これ……やっぱり十二支さんたち!
あたし達を取り囲むように十二支たちが並び、さっきの猫と同じ次々にお辞儀をしていく。
そしてみんな慈しむようにあたしを見上げ、その代表とでも言うように蒼穹の猫が歩み出た。
「今宵も、どうか楽しまれますよう……。さ、毬を投げて下さいませ」
深々と頭を垂れた猫。
「え?」
キョトンとしてると、猫にもう一度催促される。
「さあ」
「あ、はいっ」
言われるがまま、毬を天高く放り投げた。
――――すると。
満月に届きそうな程高く飛んだ毬は、煌びやかな光を放ち、それが辺りを埋め尽くした。
あまりの眩しさに、手をかざす。
真っ白になった世界。
次第にその光は消えて、残りの粒子がまるで雪のように降り注いだ。
一体、なにが起きたんだろう。
すごく、きれい……。
空を見上げていると、トワの声に我に返った。
「真子」
「あ!」
光の粒に触れた動物達が……次々と真っ白な煙に覆われて、その中から人間が現れたんだ。
それは見覚えのある光景だった。



