「え、藍原くんて猫になってたんだ!」


無事に修学旅行を終え、数日たった学校の帰り、あたしは爽子と廉次さんのお店に立ち寄った。
このお店に来るのは、もう当たり前のようになっていた。

甘い湯気が立ち上るキャラメルマキアートを前に、爽子が目を丸くした。


「そうなんだよ~。もう一時はどうなるかと思ったけど、なんとかなって本当によかった」

「もしかしてって思ってたけど、修也も何も知らないみたいだったし、それに総司朗さんが体調不良でって言ってたから、それが本当なんだと思ってたよ」

「あはは……」


総司朗先生には、参ったよ……とは言えず。
ただ苦笑いを浮かべた。

でも、助けてもらったのは確かだよね。
うんうん。

そう思いながら、ホットココアを口に含んだ。


「おいしぃ」


そんな言葉と一緒にため息が零れた。
その時、テーブルに美味しそうなパンケーキが運ばれてきた。