そこにいたのは、あきらかに不機嫌なトワだった。


「え?な、トワ、どうして、」

「真子」

「はいっ」


あたしの言葉を制したトワに、グッと肩を掴まれた。

目、目がすわってる……。
もしかして……。


「まだ熱さがってないでしょ!」

「……」


トワの制服を掴むとその額に手を伸ばした。
やっぱり……。まだちょっと熱っぽいよ。

されるがままのトワに、ハッとして頬に熱くなる。
あたしの手の向こう側の目が細められた。



「さ、爽子は?今日こそ総司朗さんに相談して……」

「俺さ」



あたしの手首をキュッと掴んだトワは、苦しそうにその表情を歪ませた。


え、やだ。本格的に調子悪い?


「なんか昨日から変なんだけど」

「変?」


それって、熱があるからじゃ……。


「うん。なんか真子見てるとイライラするって言うか」

「えっ」


あたしを!?
それは熱とは関係ないの?うそ……あたし、なんかしたのかな。